【不定期連載】タダしい競馬の見方塾 #5 ~2021 根岸S~

AI予想だけじゃ物足りない!「スポニチAI競馬予想 SIVA」では2021年から新企画として、キャリア豊富な競馬記者Aがレース結果を詳しく解説する「タダしい競馬の見方塾」を不定期で連載しています。

 

第5回は1月31日に開催された「根岸S」編です。

 

タダしい競馬の見方塾 根岸Sを振り返る

 

☆1/31 東京11R GⅢ根岸S

レッドルゼルが重賞初制覇を決めました。15戦して今回が7勝目。4着以下が2度しかない超安定派がついにタイトルをつかみました。

勝ち方も良かったと思います。直線を向き、サブノジュニアとタイムフライヤーの間、タイムフライヤーとテイエムサウスダンの間を狙いましたが、ともに狭くて突っ込めず。最後は先に抜けたタイムフライヤーの後を追い、ワンダーリーデルの追い上げを頭差防ぎ切りました。多少、苦労はしましたが、こういう勝ち方は馬にとって糧になります。前に馬の壁があっても我慢できるようになりますし、スペースができてから瞬時に脚を繰り出せるようになれば戦法の幅が広がります。大外から常に決め手に懸ける競馬では距離ロスも大きいですから、こういうふうに馬群を縫えることは鞍上にとっても頼もしい材料でしょう。

2着ワンダーリーデルは最後方からの競馬。常に展開待ちになりますが今回はハマりました。最後はかわしておきたかったところですが、これは勝ち馬を褒めるべき。次走のフェブラリーSも同じ競馬になるでしょうが展開次第ではチャンスです。

ところで勝ち馬は安田隆行厩舎。2着馬は師の次男・安田翔伍厩舎。父が騎手としてトウカイテイオーに騎乗してダービーを勝った時、確か翔伍師もテレビの特集に出ていた気がします。「パパ、ガンバレー!」って言っていたような…。それが30年を経過して調教師として重賞ワンツーですからね。時のたつのは早いものです。

3着タイムフライヤーは早めに先頭に立つ王道の競馬。追い込み2頭にかわされましたが力は示しています。次走・フェブラリーSで名指揮官、松田国英師のラストGⅠ制覇をつかんでもらいたいものです。

 

☆1/31 中京11R GⅢシルクロードS

シヴァージが6勝目で待望の重賞初制覇。これで8戦連続上がり3Fはメンバー中、最速。現役きっての切れ者がその決め手を遺憾なく発揮しました。
福永騎手はシンザン記念、ピクシーナイトで逃げ切り、アッと言わせましたが、今回に関しては直線、どの馬よりも外に出して切れ味を引き出しました。馬や馬場によって、いかようにも対応できる福永騎手の柔軟さには目を見張るものがあります。そして、ダートで実績を積んできた馬らしく、こういうパワーを要求される馬場も合っています。まずは高松宮記念に王手、という競馬でした。

2着ライトオンキューは調教で好タイムを連発。パドックでも堂々として、トモにもたっぷりと筋肉がついて、状態の良さをうかがわせました。レースも残り200mで先頭に立つ、盤石の運び。最後は勝ち馬にかわされましたが能力の高さを示しました。残念だったのは1枠2番を引き、直線でも内めでの立ち回りを要求されたこと。あのあたりは見た目以上に馬場が悪く、伸びを削がれます。そういう馬場も苦にしないタイプではありますが、もう少し直線で外に出せれば勝ち馬との差は詰まった可能性はあります。3着ラウダシオンもよく伸びていますが、本音を言えば、ライトオンキューはかわしたかったところ。使って良くなっていくタイプなので次走以降に期待です。

逃げたモズスーパーフレアは17着大敗。あくまで目標は高松宮記念ですが、それにしても負けすぎ。こういうパワー馬場が合わないことは間違いないです。これで高松宮記念で人気急落なら狙い目ですが、そこまで人気薄にはならないでしょうね。

 

☆次走の狙い目は…?

30日の土曜中京1Rで6着だったナサ。直線を向いて手応えは良かったのに、前に馬がびっしりで追えませんでした。勝てるレベルの馬で次走は狙い目です

 

♤競馬記者A スポニチSIVA運営に携わる競馬記者。取材歴は20年超のベテランで、メディア出演実績も多数。本人いわく「運だけは人一倍」。